長い間、人々の暮らしに寄り添ってきた「いわき昔野菜」。親から子へ、子か ら孫へと世代を越えて、代々種は受け継がれ、地域の気候や風土に馴染み、家 庭の食卓を支えてきました。食べ方も実にさまざまで、保存の知恵や加工の工 夫など、その土地ならではの独自の食文化が形成されてきました。
この地域の宝でもある「いわき昔野菜」や「食文化」を、次の世代へ残して いくことを目的に、本誌は編集されました。昔から伝わる食べ方と共に、若い 世代の方に興味を持ってもらえるような、今までにない新しい食べ方も紹介し ています。
本誌は、昨年に刊行された「いわき昔野菜のレシピ」の続編であり、この度 も多くの方にご協力を頂きました。薬膳、フレンチ、中華、家庭料理など、バ ラエティに富んだレシピが誕生しています。個性の強い野菜の魅力を活かしな がらも、今までとは違った新しい一面に光をあてることで、「食べたい」、「作っ てみたい」という声が、少しでも多く生まれれば幸いです。そして、この冊子 を手にとって下さった方が、「いわき昔野菜」をより身近に感じてもらえること を、心から願っています。
編集後記
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凍み餅
写真上:ごんぼっぱの凍み餅(田人町荷路夫) いわき市の山間部を中心とした地区には、「凍み 餅」と呼ばれる保存食があります。夏から秋にかけ て「ごんぼっぱ」と呼ばれるヤマゴボウの若葉を摘 んで乾燥させておき、冬の寒さが最も厳しい2月初 旬に餅に加工されます。ごんぼっぱは、茹でてアク 抜きするだけでも数日かかり、餅が完成するまでに は多くの手間がかかっています。寒さにあてて乾燥 させることで、餅の表面がカチカチになり、長期間 の保存が可能となります。食べる時は、半日以上水 につけ、フライパンなどで焼いて、砂糖醤油などお 好みの味付で食べられています。ごんぼっぱの葉の 裏面は、ビロードのような独特の手触りですが、こ れが餅のつなぎになるといわれています。写真右❶:ごんぼっぱを乾燥させている様子 写真右❷:ごんぼっぱの団子
茹でてアク抜きしたごんぼっぱを米粉に混ぜて 団子状にし、もち米と一緒に蒸かします。 写真右❸:つきたてのごんぼっぱ餅
写真右❹:凍み餅を屋外に干している様子
ついた餅を藁で組み、水にくぐらせてから軒下 に吊るします。1 ヵ月ほどで完成します。 写真右❺:ごんぼっぱの凍み餅
凍み餅を一晩水につけ戻します。水気をきって、 少量の油をひいたフライパンで焼き、お好みの 味付で食べます。
❶ ❷
❸ ❹
❺
いわき昔野菜のレシピ2 2015 年 3 月 発 行
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